幕末、横浜山手の外国人居留地に欧米人に依って本国から
苗が持ち込まれたのが、我が国における薔薇栽培の最初と云われる。 その後、日本の主に植木職人の手に依って苗の繁殖が為され、 明治中期以降にゆっくりと全国に普及されて行った経緯の由。 ただ戦前まではバラ栽培は大変高級な趣味だった訳で、 勿論バラ苗も現在では考えられない程高価なものだった様です。 さてその様に全国に広まった薔薇でしたが、残念な事に植木屋さん は日本人独特の美意識からか? オリジナル品種名を全く無視して 当時取り扱いの全て薔薇に自らの感性で和名を付けてしまわれた。 後世、それが原因で正式品種名が少なからず不明になってしまい、 現在でも限られた和名品種しか特定出来ずにいる。 曾てより法則性・分類を重視する欧米人と異なり、古来日本人は 刹那的感性を何より優先するきらいがある。 手仕事の器用さが西洋人と比較して群を抜いているのは、そんな所が 起因しているでは…? そんな意味で改めて薔薇の和名をひも解くと、世界一四季が美しい とされる日本情緒がしみじみと感じられ、反って味わい深い感慨を 覚える。 以下は弊園取り扱い品種の中で、オリジナル名が判明している和名 を箇条書きにしてみました。 中にはあまりにベタで思わず笑っちゃうのもありますけど。。。 でもこれらが醸し出している大和民族的感性…とても良いと思う。 Tea オメール 振夫 アリャンス・フランコ・リュス 東美人 アンナ・オリビエ 采女 ミセス・ダーズリー・クロス 王冠 デュシェス・ドゥ・ブラバン 櫻鏡 櫻重 随一紅 スヴェニール・ドゥ・ピエール・ノッタン 黄石公 フライハー・フォン・マーシャル 織姫 晩紅 名玉 イザベラ・スプラント 鬼界ヶ島 ホワイト・ママン・コシェ 王光 レディー・ヒリンドン 金鳶 金華山 レインボー 錦旗 虹の光 大正錦 マリー・ヴァン・ウット 金光殿 レディー・ロバーツ 金星 デヴォニエンシス 銀の麾 泰山香 パパ・ゴンティエ 慶典 真雀 サフラノ 香黄電 西王母 四海波 ペルル・デ・ジャルダン 金剛 大華星 ブルーメンシュミット 珊瑚 マダム・ジョゼフ・シュヴァルツ 随一白? ウィリアム・R・スミス 筑波 ママン・コシェ 照日峯 夕栄 ミセス・B・R・カント 常夏 ザ・ブライド 雪見車 China クラムワジ・スーペリュール 旭の空 大盃 ヘルモサ 三光 初笑 ムタビリス 七変化 グルース・アン・テプリッツ 日光 ルイ・フィリップ 辨天 コンテス・ドゥ・セーラ 大和姫 Bourbon ゼフィリーヌ・ドゥルーアン 春日 ルーイソンゴワー 酔姿紅 スヴェニール・ドゥ・ラ・マルメゾン 世界の国 世界の図 ブール・ドゥ・ネージュ 雪山 EHT ミセス・チャールズ・ランプロウ 秀月 ミセス・アーロン・ワード 将軍 レッド・ラジアンス 赤城 ポリー 綾波 レディー・アーシュラ 薄化粧 天地人 スーヴ・ドゥ・クロージュ・ペルネ 黄香 金照殿 ミセス・チャールズ・ベル 玉蝶 マグレディー・ゼム 玉簾 オフェリア 玉冠 仙楽 オーギュスティーヌ・ハレム 金城 玄武洞 マダム・バタフライ 迎春殿 女蝶 カイゼリン・オーギュスト・ビクトリア 敷島 清薫 ミセス・ハーバート・スティーブンス 末広 マダム・カロリン・テストゥ 聖代 エトワール・ドゥ・オランドゥ 大神楽 オーギュスティーヌ・ギノワソー 高砂 マダム・J・P・スペール 黄昏 ラ・フランス 天地開 キャプテン・クリスティー 桃園 スヴェニール・デュ・プレジデント・カルノー 豊明 マダム・アベル・シャトネ 鳴海 ベティ 羽衣 レッド・ラ・フランス 姫椿 キラーニー 紅女皇 洛陽 ラ・トスカ 三笠 HP クリオ 赤海望 ジョージ・アレンズ 桃郷 ヘンリー・ネバード 美観 CL.Tea グロワール・ドゥ・ディジョン 千里香 千里咲 マダム・ジュール・グラブロー 夕陽 夕晴 Noisette マーシャル・ニール 大山吹 ウィリアム・アレン・リチャードソン 瑞宝 淀川 Rambler ファイルフェンブラウ 蒼天 Polyantha レオニー・ラメッシュ 真珠 最後になりましたが、今年も大変御世話になりました。 来年もどうぞ宜しく御願い致します。 皆様にとって来年も良い一年でありますよう!
by roseantique
| 2015-12-28 23:55
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